2008年03月07日

ビーチボーイズ/GOD ONLY KNOWS(3/9)

今週のスペシャル・ミュージックディナーのコーナー(3/9)
(ここでは、毎回、私・ぽんちゃんが、手前勝手に洋邦・新旧・アマチュア・プロ問わず一人/一組のアーティストにスポットをあて特集を組み、コンパクトにまとめて紹介するコーナーであります。)
毎週、曲者で、ROCKIN’なヤロウ/メロウを御紹介したいと思いますので、是非お楽しみに!

今日は、先日近所の図書館で誠に素敵な本を新たに発掘致しまして、それについてのご紹介と、その本の中で紹介されているまさに名曲と称するに相応しいナンバーをちょいとつまみ上げてはリスナーの皆さんと一緒に聴いてみたいと思っています。
さて、私が過日図書館において発見した本と言いますのが、昨年の12月といいますからまだまだほっかほかの新刊に近い代物で、中央公論新社から発売となりました「村上ソングス」とタイトルされた書籍であります。



本に冠されたタイトル通り、作者はかの著名人・村上“海辺のカフカ”春樹氏で、そこに加えてイラストレーターの和田誠氏ががっちりダッグ組むべく、流麗で優しい感じの輪郭線と柔和で淡白な色使いといった手法を重ね合わせた独特のイラストを添えて、村上氏のペンによって紹介される数々の曲の内容をより解りやすく立体的な形で演出してくれています。邪道な評し方と怒られるやもしれませんが、ホント文章を読むのが億劫という人でも、そのイラストの数々を眺めるだけでも充分に楽しめる要素に溢れた一冊と言えるでしょうね。(尚、ラストの二編に関しては文章も和田さんが執筆されています。)
ドアーズあり、ビング・グロスビーあり、はたまたビリー・ホリデイにビーチボーイズとその趣味性は多岐にわたり、一体この人の好奇心の引出しは何処まで強欲なつくりになっているのだろうかなどと感心することしきり。
それでは、そんな村上春樹氏の「村上ソングス」に掲載されている曲をアトランダムに私の好みでチョイスし、春樹氏の解説と意訳を断片的に紹介しながら何回かに分けてこのコーナーにて、その音をお届けしたく思います。
で、本日その初っぱなを飾るのは…

「いかなる時も君を愛するとは、言い切れないかもね。
でも見上げる空に星があるかぎり僕の思いを疑う必要はないんだよ。」
「もし君がどこかに去っても人生は続くかもね。でもそれでは、この世界が僕に示せるものなど何一つ無い。そんな人生に、なんの値打ちがあるのだろう。
…………それは神様しか知らない」

これは、(トニーアッシャー作詞・ブライアン・ウィルソン作曲 ビーチボーイズ・GOD ONLY KNOWS・村上春樹・意訳)の歌詞の一節ですが~村上春樹氏は「村上ソングス」のその冒頭で、この曲の歌詞を紹介しては~
「もし君がどこかに去っても、人生は続くかもね。
そう人生は続くのだ。この曲の本当の切なさと美しさは、そこにあるのかもしれない。」
と評してその作品の素晴らしさを称えています。



胸に迫り来るリリックと、一説によればビートルズの「ラバーソウル」に対するビーチボーイズからの回答とも称されながらも、その実験的な試みは、当時の音楽シーン、特にビーチボーイズに対してサーフロックばかりを求めるファンからは全く理解されず、ブライアンはその繊細な神経をすり減らし、現実逃避とばかりに薬に溺れることになってしまい、暫く音楽の世界から遠ざかる事を余儀なくされてしまった問題作として取り上げられることも多い、このGOD ONLY KNOWSが収録された「ペットサウンズ」。今日はその中から、今歌詞を紹介したGOD ONLY KNOWSと村上氏がこの曲と共にそのメロディーの美しさをこの本の中で同じく評価しているCAROLINE NOをお聴きいただきたく思います。

それではどうぞ!

  


Posted by PONーCHANG!(ぽんちゃん) at 01:16Comments(0)ROCK・音楽